被災乗り越えパクチー奉納祭
昨年の西日本豪雨による甚大な被害から立ち直った県特産・パクチーの収穫仁感謝し、料理を味わう「岡山パクチー奉納祭」(実行委主催)が9日、備前国総社宮(岡山市中区祇園)で開かれる。実行委メンバーで、生産者の植田輝義さん(44)=同市北区牟佐=は「無事に育ったパクチーをまた皆さんに味わってもらえる喜びでいっぱい」と感慨深げだ(鈴木麻美)
9日、備前国総社宮 7店舗が多彩なメニュー
当日は、岡山市の飲食店など7店がタコライス、ソーセージ、ビール、かき氷、たこ焼きといった多彩なパクチーメニューを提供する。パクチーをデザインした絵馬(500円)、手ぬぐい(千円)も用意する。
午後5時から豊作を願い、恵みに感謝する神事を拝殿で行い、「パクチー、おいちー、日本一」という歌詞が登場する「岡山パクチー音頭」(同6時~9時)も踊る。
奉納祭は2,016年、総社宮がパクチー主産地の玉柏・牟佐地区に近い縁から、「特産品の知名度アップや発展に寄与できれば」と始めた。昨年は西日本豪雨でパクチー畑が被災して収穫量が例年の1割に減った。奉納祭は飲食ブースを中止したものの、開催して復興を祈願し神事や被災地を支援するグッズの販売も行った。
植田さんは「豪雨から約1カ月、体力的にも精神的にも本当にしんどい時期だったが、集まってくださった皆さんの励ましが力になった」と振り返る。
今年はほぼ例年並みの収穫量が確保でき、奉納祭本来の形で開く。武部一宏宮司(46)は「被災を乗り越えたパクチーは復興のシンボル。前向きに、一歩踏み出そうと思えるような祭りにしたい」と話す。
時間は午後5時~10時、荒天中止。問い合わせは備前国総社宮(086-275-7055)。