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山陽新聞『一日一題』3月30日

『祭りは祀り』

 

 10月31日はハロウィーンです。東京・渋谷のスクランブル交差点に仮装した人々が繰り出すようになり、最近は岡山でもにぎわっているようです。ハロウィーンは収穫を祝う祭です。仮装の人たちの中で、それを理解している人がどのくらいいるのか、少し気になります。お祭りの後ろに、騒ぎが付かなければよいのですが。

 イベントな等の人のにぎわいに祭りという言葉をよく使いますが、本来祭りとは神を祀ることです。そこには神に対して感謝や祈りがなければなりません。それを日頃から行うことで、その心が生活習慣になり、日本人の道徳性につながるのだと思います。

 一年を通して全国の神社でさまざまな祭りが斎行されています。たとえ小さくても古くから土地の人たちに守られてきた大切な祭事ですが、最近、気になることがあります。それは祭りの斎行日が土曜日、日曜日に集中していることです。基本的にお祭りは日にちで決まっていて、曜日で動かすものではありません。しかし、人が集まらないという理由で安易に変えているのです。日にちが決まっているのは意味があるからで、変えるとその意味を失ってしまいます。神様のための祭りが、いつしか人が遊びのためだけのものになってしまうのではないかと心配です。

 この先、平日が休みになればその時また、曜日や日にちを変えるのでしょうか? 祭りとはそんな軽々しいものではないはずです。よく時代が変わったからしょうがないと言われますが、変わったのは時代ではなく、人の心だと思います。ハロウィーンなら平日でも人が集まるのに、同じ収穫祭の秋祭りに集まらないのは別の理由があるからではないでしょうか。

 元気な祭りのある地域は、地域自体が元気である。これは私の持論です。備前国の総鎮守である総社宮の発展が地域の発展につながると信じ、これからも感謝の集まるお祭りを行いたいと思います。 

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